学校の授業と学習塾の授業

学校には学校の良さ、学習塾には学習塾の良さがあります。

「学びの場」という意味では両者とも共通していますが、その目的や手法は大きく異なります。

学校の勉強だけでは不十分なのでしょうか?

受験勉強には学習塾には必須なのでしょうか?

今日は学校と学習塾の授業の違い、それぞれの役割についてについてお話しします。

1 教材の違い

まず学校と学習塾では使用している学習教材が異なります。

小中学校で使用される教科書は、文部科学大臣が作った教科書目録から各地域の教育委員会によって選定されるのが基本です。高校においては文科省から許可された書籍の中から学校が選定しています。

小中高で共通して言えるのは,文科省が許可した書籍の中から教科書を選んでいるという点です。もちろん、副教材として教員が独自にプリントを作ったり、実験・実習の授業で使用するマニュアルを作りテキストとして使用することはありますが、基本的には選ばれた出版社発行の教材を使って授業を行うのが一般的です。

一方、学習塾の教材はほとんどの場合、塾側がオリジナルで用意したものや受験問題の過去問を使用します。学習塾の教材は,総じて受験に重要な情報がわかりやすくまとめられているので,学習効率は非常に高いと言えます。

学校の勉強は受験を目標としたものではないため、受験のための資料価値としては塾に劣りますが、基本的に学校で勉強している内容が進学の入試では問われるため、必ずしも塾が必要とは思いません。

ただ、少しでも有利に受験戦争を進めるために、学習塾の教材は非常によくまとまっていると思います。

2 教育の方向性の違い 

そもそもなぜ使用する教材がこんなにも違うのかというと、目指している教育が異なるからです。

学校教育は基本的にすべての生徒に平等に教育の機会を与え、そこに不公平がないようにすることが求められます。また、学力の向上だけでなく、学習指導要領に則り、「知育・体育・徳育」という教育の三本柱をバランスよく提供し、「生きる力」を育むことを教育の最大の目的としています。だから学力の向上も授業の目的の一つですが、生徒指導や進路指導、道徳指導の意味もかねて行われています。だからそこ、学校ではアクティブラーニングのような教育方法が推進されているのです。

一方、学習塾の最大のテーマは「学力の向上」と「結果を残すこと」にあります。特に進学塾は「進学実績」こそ最も大きなブランディングとなるので、生徒の進学を全力で後押ししてくれます。結果を出すことが塾講師にとって最も重要な任務であるので、力強いバックアップが期待できます。塾講師の授業の方が、学校の教員よりも「わかりやすい」授業が多いのはそのためです。「先生のおかげで◯◯大学に合格できました!」と言う言葉が彼らの最大のモチベーションであり、責務なのです。

もちろん進学校では「進学課外」に力を入れて、学習塾にも負けないサポートをしている学校もありますが、多くの学校は学校行事や部活動にも力を入れているため、「受験のための勉強」という意味では総合的に見て進学塾に一日の長がある場合が多いです。

3 学習環境の違い

前述した通り、学校の目的は学力の向上だけではないため、学校では一部例外を除けば習熟度別のクラスを作ったり、クラスによって授業の内容が極端に違うことはありません。だから同じクラスの中でも学力の高い子もいれば、勉強が苦手な子も混在しています。どうしても学習に対する意識が低い子もいるので、「流される」子も出てきます。レベルによるクラス分けをされることは少なく、全員が同じ内容、同じ授業を受けるので、「平均的な子」を目指した内容になりやすいです。

一方、学習塾の場合は塾の種類にもよりますが、基本的には自分と同レベルの他校生達と一緒に勉強し、競い合うわけですから、学習効率は高いと言えます。学校にはなかなかいないライバルが近くにいるので、競争心を持って学習に取り組めます。「志望校合格」という共通目標があり、周りの生徒たちも努力しているので、

4 学校の良さと塾の良さ

以上のように、勉強の目的を「受験合格」とした場合、学校より学習塾の方が優れていることが多いです。私たち学校の教員の持っていない受験対策ノウハウをたくさん持っています。本気で受験勉強を頑張る環境が学習塾の大きな魅力です。

では学校の授業は学習塾に劣っているのかというと、そういうわけではありません。学校の授業は人間形成のための生活指導や生徒指導もまた、大切な目的として行なっています。だから、いわゆる「アクティブラーニング」と呼ばれる、生徒主導の授業が学校では良しとされているし、「総合的な探求」が学校では求められるようになりました。これからの学校の授業は「教師対生徒」という構図から「生徒同士」で学びあう構図へとシフトしていくでしょう。授業をはじめとした学校生活を通して、社会との関わり方や人間性を学んでいくのです。


学校の先生にとって「塾」とはどういうものなのか。

「学校と塾はライバル」と言われることもありますが,実際にはそんなことはなく,方向性は違えどどちらも同じく子供達の成長のために存在している教育団体です。

学校の授業、塾の授業、双方ともに重要な「目標」に向かって教育活動を行なっているので、「目的」に応じて使い分けることが大切です。

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